舌下免疫療法（花粉症治療）　 町田市の内科、呼吸器内科、鹿島内科クリニックは町田駅近で土曜日も診療、駐車場多数

辛いアレルギーの治療に役立つのが舌下免疫療法です。舌下免疫療法ではアレルギーの原因を根元から解決する画期的な治療法で、従来行われていた治療に比べて根本から原因を解決できるという魅力に注目が集まっている治療法です。

アレルギーというのは体の中の免疫の反応が過剰に反応してしまう事で起こる体の異常で、スギ・ダニ・ネコ・犬など様々なものが原因でアレルギーが出てきます。

アレルギー反応はアレルゲンというアレルギーの原因になる物質が体内に入り込み、体の中にあるIgEというタンパク質と結合する事が原因で始まります。このアレルゲンとIgEが結合した複合体は体の中にある肥満細胞という細胞に結合することで肥満細胞の働きを活発にしてしまい、体内にヒスタミンという物質を作るように働きかけてしまいます。このまま適切な治療をしなければヒスタミンが体内に分泌されてしまい、ヒスタミンの作用によって血管が拡張したり、血管から水分が滲み出てしまったり、カユミや皮膚の炎症などの原因になり、生活に大きな支障をきたしてしまうのです。

一般的なアレルギーの治療というのはヒスタミンの働きを邪魔するお薬を利用する治療が一般的だったのですが、この投薬治療は眠気・だるさなどの副作用が出る場合があり、しかも根本的な原因を解決する事ができないという問題点がありました。このため長らく根本的な問題を解決する治療法が求められていたのです。

このような問題点を解決するために登場したのが舌下免疫療法です。舌下免疫療法ではアレルギーの原因物質を舌の下部の粘膜に薄めて投与する事で少しずつ体にアレルゲンを慣らしていく治療法で、アレルギー反応の根本原因から解決できる病気として多くの医療機関で導入が始まっている非常に注目度の高い治療法です。

舌下免疫療法は今現在スギ花粉やダニが原因で起こるアレルギー性鼻炎の患者さんに治療が認められている治療法で、長期間正しく治療が行われるとアレルギー症状を治したり、長期にわたるアレルギー反応の縮小が期待できます。完全に症状が収まらない場合でも、症状が大幅に緩和されるなどメリットは非常に大きいので、お困りの場合にはしっかりと治療を検討してみましょう。
特に喘息、副鼻腔炎の憎悪を繰り返したりする人、睡眠時無呼吸症候群でCPAP療法をしている人に適用の重要度が高いと考えれます。

舌下免疫療法はアレルギー反応の原因になるアレルゲンを薄めた治療薬を少量ずつ摂取する事から始まります。アレルゲンを摂取するというのは体に負担がかかるものと思われるかもしれませんが、舌下免疫療法で利用するアレルゲンはごくごく少量の分量を少しずつ長い間体に取り込む治療法なので、基本的に体に大きな負担がかかることはありません。

治療のやり方は治療薬を舌の下に入れ、その後５分間うがいや飲食を控えるだけという非常に簡単な治療です。治療自体はそこまで大きな負担にならないので複数のアレルギーを抱えていない、スギ花粉やダニに対してのアレルギーをお持ちの方は基本的に舌下免疫療法を利用する事ができます。

治療薬では初めは少量の服用から初めて一定の分量を服用するまで徐々に濃度をあげていきます。この間一ヶ月に１度程度の割合で診察を受け、大きな副作用などが現れていないか確認して行きます。花粉症の場合にはスギ花粉が飛散している時期でも関係なく毎日治療を続けていく必要があるのですが、目のかゆみやくしゃみなどの不快症状が出てこないので優れた治療の選択肢の一つです。約３～４年続ける事が一つの目標となります。

スギ花粉の場合にはスギ花粉が飛び始めた段階で新たに治療を開始することはできないので、スギが飛び終わった後（６月以降）やスギが飛び始める前（１２月まで）に治療を始めるようにします。治療を正しく続けていくと、治療終了後でもかなり症状を緩和する事ができますし、アレルギーを抑える抗ヒスタミン剤や抗アレルギー薬の使用量を減らす事ができます。適切な治療を続けて不快なアレルギー症状の緩和を目指しましょう。

舌下免疫療法は基本的に体に大きな負担をかける事がない治療ですが、一部の方に副作用が出てきてしまう事があります。アレルゲンを投与するので、服用した後にアレルギー反応が強く出てしまう事があり、このような場合には口の違和感や皮膚の蕁麻疹など様々なアレルギー反応が起こってきます。

副作用の中でも特にアナフィラキシーショックという状態には注意が必要です。アナフィラキシーショックは起こる可能性は非常に低いものなのですが、注意が必要な副作用の一つで、ハチなどに刺されて起こるアナフィラキシーショックは時に生命に危険を及ぼす可能性もある重篤な病態です。

アナフィラキシーショックは非常に強いアレルギー反応が原因で起こる重篤な症状で、呼吸が荒くなったり心拍に異常が出てきたりします。ドキドキと不快な症状が続き、体に違和感を感じた場合にはすぐに医療機関で治療を受けなければならない副作用なので、違和感を感じた時にはすぐに医療機関に相談するようにしましょう。

しかしながら、現在の段階では大きな副作用は報告されていない事から、舌下免疫療法の安全性は高く担保されている治療法と考えられております。